日々

あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
今年は2月4~7日名古屋能楽堂で、倉澤行洋先生の名著『桃山の美とこころ』の展覧会を開催することになりました。倉澤先生のもうひとつの名著『藝道の哲学』は多くの藝大の先生がテキストにされています。先生の哲学から藝術を見る見方は、藝術を目指すこころを育てる方法を解いておられます。昨日は、先生から展覧会について「美を語るには、こころをわからなければならないし、こころをわかるために、美がわからなくてはならない。しかし、こころと美は、各々独立はしていない。こころは美により深まってゆく、お互いに絡み合って深くなってゆく」とお言葉をいただきました。この展覧会はこの「美とこころ」をわかって頂く為に、様々なものをお見せし、人や事のその研究を伝え、表現についてを深く見て、それにより鑑賞された方のこころに作者のこころが移るようであればと、皆さんと準備をしております。能楽堂という幽玄な空間なればこその、これまでにない試みです。多くの人に受け止めてもらい日本の美の見方を歴史、地域、環境を含み味わってもらいたいと思っています。
もう少し展覧会のことを話しますと、仮想と現実の思考を行ったり来たりしながら本質にたどりつく、こころの旅のような展覧会です。そこには、特別能楽鑑賞、そして夢から覚めて能の面について金剛永謹御宗家からご講義いただきます。ここまでを全て参加頂くと、日本の独自な思考に触れ「こころ」を基に考えることが非合理ですが新しいと感じられ、合理的では本質が見えないことも納得できそうです。例外は発展に向かう準備であることも観じてほしい展覧会です。
まずは、1月30日能楽堂『今昔歌舞伎草紙』から始まります。西洋的な見方では説明できないところを、子供の頃に感じておくことは大切なことに思います。
準備をしながら思うことは、伝統の中に遺されている、日本の独自な思考と方法が、新しい形式や仕組みへ役立つものに感じています。
いい忘れました。名古屋能楽堂で展覧会は始めてです。ご理解いただきました能楽堂様各位様、深く感謝致します。